「でも……陽莉、すごく苦しそうだよ」
「そんなことないよ。あと少しの我慢だから、きっと……」
バンッ―――
すると、羅菜が勢いよく机を叩いた。
私の体は驚きで跳ねる。
「少しくらい……ワガママ言ったっていいじゃない。苦しい思いをしてる陽莉なんて、見てるこっちがツラくなるよっ!」
「……っ」
「土日なら少しぐらい時間あるでしょ。デートに誘ってみなよ」
「で、でも……」
「ワガママ言ったら嫌うなんて、そんなの陽莉のこと好きじゃないってことだよ。彼女なんだからワガママぐらい言いなよ!」
羅菜の言葉が胸に突き刺さった。
「誘ってみなよ……ね?彼女なのに、幼なじみのためにガマンするなんておかしいよ。ワガママは彼女の特権なんじゃないの?」
そうだ……私は朔空くんの彼女なんだ。
朔空くんは私が今までどんなワガママを言ってもイジワルしながらも聞いてくれた。
そんな朔空くんを好きになったんだ。
今さら、なにに怯えているんだろう。
彼氏の幼なじみに身を引いてどうするの。
少しぐらい……ワガママ言ってもいい、よね?



