「……まぁ、くん付けでもいいか。よく言えました」



ふっと笑ったかと思うと、さわむ……じゃなくて朔空くんは私のオデコにキスをした。
その瞬間、私の顔はカアァと熱くなる。



「なっ、なに……っ！？」



「え？ちゃんと呼べたからご褒美だけど？」



平然と答える朔空くんにはぁ！？と言いたくなるのを抑える。
そんなの聞いてないよ！！！



「そんな顔真っ赤にしちゃって、もしかしてキスされんの初めてだった？」



「う……っ」



ど、どーせ私なんてファーストキスも未経験の恋愛初心者ですよーだっ！
そもそも男の子と話すことも全然ないし、話すのもニガテ。



「ふぅん、じゃあ俺がもらうってのも面白いかもな」



「へっ！？」



さっきから、な、なななな、なに言ってるんですかこの人は！？



「だから、陽莉のファーストキス」



にやっと笑うと私の顎を持ち上げて、顔を近づけてくる。



突然のことで全く動けない。
私、き、キスされる……！？