【完】“好き”って言葉だけじゃ足りねぇよ。






“イヤだ”



素直にそう言ったら、朔空くんはどんな顔をして、なにを言うかな?
やっぱり……困らせちゃうよね。
私が我慢すれば、朔空くんに嫌われることも、困らせることもないよね?


いい彼女でいなきゃ。
朔空くんを困らせるなんて絶対にイヤだ。


玲ちゃんが家に帰るまで我慢すればいいだけの話……。



「全っ然大丈夫!寂しい思いをさせないように、玲ちゃんのそばにいてあげて?」



「……さんきゅ、陽莉」



朔空くんは優しく微笑んで、私の頭をポンポン撫でた。



もう、なんでこんな苦しいときに頭ポンポンするかなぁ……。
泣きそうになっちゃうじゃん。



「また玲が向こうに帰って落ち着いたら……アイス食べに行こうぜ」



「……っうん!」



その日がくるのを楽しみにしながら、あと少し頑張ろう。
朔空くんを困らせないように、いい彼女でいよう。



「陽莉」



「ん?」



「好きだ」



「えっ」



不意打ちでそんなこと言うなんて……朔空くんはとことんズルい。
私ばっかりドキドキしてるんじゃないかってぐらい。