【完】“好き”って言葉だけじゃ足りねぇよ。







「ごめんな……。じゃあ俺、先に帰るわ」



「えっ!」



引き止めるヒマもなく、朔空くんは走って帰っていった。



一緒に帰ることすら、ダメなの……?
そんなに急がなきゃいけないの……?



私はまだカップに残ったアイスをゴミ箱に投げた。



「朔空、くん……っ」



溢れそうになる涙をグッとこらえた。



やっぱり彼女よりも幼なじみの方が付き合いが長いし、お互いのことをよく知ってるし、大事なのかな……?



ダメダメ!
きっとなにか事情があるんだ。
だから……ワガママなんて絶対に言っちゃダメだ。



オレンジ色の空を見上げて、深呼吸をした。



そしてトボトボと、自分の家に帰った。



1人の帰り道がこれほどに寂しいって思ったのは、初めてだった。