体勢を直そうとしたら、朔空くんに阻止された。
「あ、あの、朔空くん……」
「顔真っ赤だけど」
「あ、赤くない!」
朔空くんってばイジワルなんだから……。
私が意識しちゃってることわかってるくせに。
「顔めちゃくちゃ近いけど、このままキス、しちゃう?」
「っ!」
イジワルに色っぽく笑う朔空くんは本当にズルい。
そんな風に言われたら……頷いちゃいそうじゃん。
「け、結構です……」
「俺とキス、したくないの?」
「そ、そういうワケじゃない、けど……」
場所が!!!
ここ駅前近くだから人多いし、すでに通行人にジロジロ見られてるし!
「冗談。さ、行こうぜ」
「もう……」
朔空くんはあはは、と笑って私の腕を引いた。