「アイツは家族みたいなもんだからさ」



「そっか」



胸が締め付けられるように苦しくて、泣きそうになる。
あぁ、彼女は私なのに……朔空くんは私を選んでくれたのに……なんでこんなに心配になるんだろう。
“好き”って……両想いになってからも苦しいことばっかりなんだ。



“好き”って言葉を軽く見てた。
そんなにカンタンに消せるほど単純な想いじゃないんだ。



「あ~、アイスアイス~!!!」



私は自分の気持ちをごまかすために、そう言ってスキップする。



「あんまりはしゃぐとケガするぞ」



「大丈夫だよーっ!きゃっ!」



そのとき、私は段につまずいた。
私の体は傾く。



こ、コケるーっ!!!



と、思って目をつむったが、全然体は痛くない。



顔を上げると、朔空くんの顔がすぐそこにあった。



「ったく、言わんこっちゃない」



「ご、ごめんなさいっ」



か、顔近い!
心臓が……ば、爆発しそう。