「んー、まぁ大丈夫でしょ!」
少し考えたあと、そう言った。
「澤村くんって陽莉のこと大好きだし。全然心配する必要ないよ」
「そうかなぁ」
「あとは、その幼なじみが澤村くんのことどう思ってるかが問題だよね」
「確かに……」
玲ちゃん、見た感じ朔空くんのこと慕っているようには見えたけど……。
恋愛感情を抱いてるかは全くわからなかった。
私が鈍感なだけかもしれないけど。
「あんまり考え過ぎない方がいいかもね。そればっかり考えちゃってなにも手つかなくなりそうだし」
「そう、だよね。あんまり深く考えないでおく!」
玲ちゃんが朔空くんを好きだとしても、朔空くんが私のことを好きでいてくれて、隣にいてくれたらそれでいい。
誰かが朔空くんのことを好きなんだって気にしてても仕方ないもん。
キーンコーン―――
「あ、遅刻つけられちゃう!陽莉、急ごう!」
「うん!」
私と羅菜は廊下を駆け抜けた。