「というかアンタ、また朝から陽莉に変なことしたんじゃないでしょうね!?陽莉の顔、赤いじゃない!」



「え?俺はなにもしてないよ?」



「ウソつけ!アンタが原因ってことはわかってんのよ!」



「羅菜落ち着いて……!」



羅菜を落ち着かせようと肩に手を置く。



「あぁ、そういえば」



朔空くんがなにかを思い出したように手を叩いた。



「陽莉がね、俺を抱きしめ……」



「ぎゃあああーっ!!!そ、そういや次、移動教室じゃなかったっけ!!?行かなきゃ!ほら!」



今朝のことを朔空くんが言おうとしたことに気づいて、私は必死に話題を変えた。



あんなの言われたらたまったもんじゃないよ……。
恥ずかしくて爆発しそう。



「え?陽莉がなんて?」



羅菜が不思議そうに聞き返す。



「羅菜、ほら行こう!朔空くんまたあとでね!」



私は教科書を持って、羅菜の腕を引いた。