「ほら、どーすんの?ただ俺が隣にいろって言ったときに隣にいるだけでいいのに」



「で、でも私は澤村くんの彼女には……っ」



「別に誰も俺の女になれなんて言ってねぇよ。彼カノっぽく見せとけばいいだけ。そしたら勝手に周りのヤツらは勘違いするだろ」



そういうことか……でも、それって女の子たちに睨まれるんじゃ……?



「大丈夫、お前に危害が加わらないように俺が守ってやるから」



“俺が守ってやるから”



その言葉にドキッとしちゃった私は大バカだ……。



……仕方ない。
梶原くんの席であんなことしちゃったのをバラされるよりも、全然マシだと思うしかない。



「で、返事は?」



「……わかりました。私……澤村くんの言うこと聞きます……」



「フッ、これで契約成立だな」



澤村くんは満足そうに笑う。
それとは反対に私の心は絶望で満ち溢れていた。



あぁ……終わった、私の人生。



梶原くんにも澤村くんと付き合ってるって思われちゃうんだろうなぁ。
まさかこんな風に失恋するなんて思ってもいなかったよ。