「ただいまー」
家に帰って自分の部屋に入ると、ベッドにダイブした。
「はぁ……」
さっきからずっと、違うことを考えようとしてるのに、全く玲ちゃんの顔が頭から離れない。
あぁ、もうなにも考えたくないよ。
嫉妬なんていう感情、誰が考えたんだろう。
こんな感情、あったって苦しいだけなのに。
朔空くんはモテるから余計、不安になるんだ。
「…………」
私は羅菜に電話をかけた。
プルルル―――
『もしもし?陽莉?』
羅菜の声に少し心が落ち着く。
あぁ、羅菜の声ってやっぱり好きだ。
優しくて温かくて……私を元気にしてくれる魔法みたい。
「羅菜ぁ……」
『なにがあったの?話聞くよ』
「実はね……」
私はさっきの出来事を羅菜に全部話した。