「えっ、あ、あの……っ」
「なに、俺の変貌っぷりにビックリしてんの?」
驚いて上手く言葉が出ない私を見て、面白そうに笑う澤村くん。
いやいやいや、普通に誰でもビックリするでしょ!?
だって今朝はあんなに優しかった彼が、今は私をバカにしたように笑っているんだから。
私はゆっくり首を縦に振った。
「ま、これが本当の俺ってこと。あんな王子様キャラとか作ってるだけだし」
「う、ウソ……っ」
じゃあ、あのみんなに向けてる優しい王子様スマイルも、私を心配したのも、全部キャラを守るためだったんだ……。
「これ、マジだから」
そう言って私の唇に人差し指を軽く置いた。
「ああいうキャラの方が先生とかクラスメイトからの信頼も簡単に得られるし、なにかとラクかなーって思って作ってんの」
「そ、そうですか」
「でも、うるせぇ女がいっぱい寄ってくるし、めんどくさい」
じゃ、じゃあそんなキャラ作りやめちゃえばいいのに……。



