「そうだ私、次の授業の課題終わってないんだった!」
陽莉はわざとらしくそう言って自分の席に戻っていった。
ったく、可愛いヤツ。
いちいちアイツの行動にドキッてしてしまう俺は変なのか?
いや、アイツがあんなに可愛いのが悪いんだよな。
あ~~俺ってばいつのまに陽莉のことこんなに好きになってたんだ?
なんか乙女みたいで自分が気持ち悪い。
……そうだ、今度陽莉をデートに誘おうかな。
そういえや俺ってまだ陽莉とデートしたことないんだ。
あぁ、羽山に先越されたし。
アイツは純粋そうな顔して腹黒い。
そもそも年頃の男が純粋なワケがねぇんだよ!
陽莉は全くそれをわかってない。
鈍感だしバカだから心配なんだよな……。
「澤村くん」
1人で色々考えていると、目の前に人影が出来た。
顔をあげると、そこには森川羅菜がいた。
「さっき校門の前で制服でツインテールの可愛い女の子にアンタの通ってる高校はここかって聞かれた」
「え?」
私服でツインテール?
自分の知り合いでそんなヤツいたっけ……。
他校の俺のことを好きなヤツか?
他校でもたまに俺に声かけてくる女子もいたし、きっとそうだな。