「ひ、人の寝込みを襲うなんて、あ、ありえないっ!」
「人聞き悪りぃな。陽莉が誘ってきたんだろ?」
「さ、誘う……?」
「寝ぼけて俺に抱き付いたのはどこの誰だよ」
……それって、私?
いやいやいやいや。
全く記憶にないんだけど?
「もしかして、記憶にないんだ?」
「あ、アリマセン……」
しょ、ショックなんだけど……。
私ってば寝ぼけてそんなことをしてたなんて。
あああ……穴があったら入りたい。
「俺だってあのとき……無意識にキスしてたし。陽莉の寝顔に思わず欲情した」
「っ!」
よっ、欲情ってそんな……。
また恥ずかしくなって、全身がみるみる熱を帯びる。
「ふっ、顔真っ赤」
「う、うるさいなぁ……朔空くんのヘンタイ!」
「男はみんなヘンタイなんだよ」
もう、都合のいいこと言って……。



