【完】“好き”って言葉だけじゃ足りねぇよ。







「私は……」



自分の気持ちを言わなくちゃ。
ちゃんと伝えなくちゃ。



「私は羽山くんのこと、可愛い後輩くんだって思ってる。それ以上には思えない。だから……羽山くんの気持ちには答えられない」



「……そうですか」



「それに私……自分の気持ち、わかっちゃったから……」



私は朔空くんが好きだ。
朔空くんじゃなきゃイヤなんだ。



「……知ってました。陽莉先輩が澤村先輩が好きだって」



「そう、なんだ……」



「きっと今すぐには無理だけど、陽莉先輩のことは少しずつ諦めます。でも、今の関係のまま……いたいです」



「もちろん!羽山くんとたくさんお話したいもん!」



「……っありがとうございます!」



私の言葉に羽山くんは可愛い笑顔を見せた。



私を好きになってくれてありがとう、羽山くん。
気持ちには応えることはできないけど、すごく嬉しかったよ。



心の中でそっとつぶやいた。