【完】“好き”って言葉だけじゃ足りねぇよ。






「じゃあ、お言葉に甘えて……ごちそうさまです!」



「いえいえ」



羽山くんに奢ってもらい、外に出ると日が落ちかけていた。



「わー……夕日キレイだね」



「そうですね。あの、今からすぐそこの公園にいきませんか?」



「うん!」



羽山くんの誘いで公園に入ると、人はあんまりもういなくて、2人ともブランコに腰かけた。



「ブランコってなんか久しぶりだ~」



私は子どものように少し興奮気味に、ブランコをこぐ。



「僕もです」



羽山くんも私と同じようにブランコを小さくこぐ。



羽山くんの横顔はなぜか少し切なそうで、私は目をそらす。



「今日は一日、僕に付き合ってくれてありがとうございました。すっごく楽しかったです」



「ううん!全然!映画もパンケーキもお金払ってもらっちゃって……私もすごく楽しかったよ」



これは私の本当の気持ち。
本当に今日一日楽しかったもん。