「映画なんて久々だからドキドキしてきた!」
「僕もです」
目の前には大きなスクリーン。
小さい頃はよく、お父さんやお母さんと映画見にきてたなぁ……なんて思い出す。
「あ、もしよかったらポップコーン食べてくださいね!真ん中に置いておくので」
羽山くんはそう言って、ポップコーンの入ったカップを肘掛けのコップを入れるところに置いた。
「うん!ありがとうっ!」
「ポップコーン美味い!!!最高!!」
ポップコーンを美味しそうに食べる羽山くんはなんだか子どもみたいで、微笑ましかった。
しばらくすると上映時間になり、真っ暗になる。
そして予告が流れ始めた。
このドキドキ感、久しぶりだ……。
なんて思っていると、予告は終わり、映画が始まった。
この映画は主人公には昔、引っ越してしまった幼なじみがいて……その幼なじみが好きだったんだけど結局全く会うことはなく、高校生になり、同じクラスにその幼なじみがいてすごくイケメンになってて、同居することになる、というベタな恋愛もの。
……ちょっと待って。
恋愛もの……???
いや、こんなの男の子の後輩くんと見るなんて気まずくない!?
私ってば気づくの遅い!!!



