「今日はどこに行くの?」



「あの、これに行こうと思うんですが……」



羽山くんは立ち止まって、少し恥ずかしそうにポケットから紙切れ2枚を取り出した。
見ると、それは今女子高生に大人気の漫画の実写映画のチケットだった。


これ、私も行きたいって思ってたやつだ……!
羅菜を誘おうか迷ってたんだよね!
すごく嬉しい!



「行きたい!私、この漫画大好きだから行こうかなってちょうど思ってたんだ!」



「……っ本当ですか!?よかった~~……」



羽山くんはホッとした様子で言った。



「次の上映時間、もうすぐなんです。行きましょう」



「うんっ!」



羽山くんに手を引かれ、駅の近くの映画館へと向かった。



「ちょっと、ポップコーン買ってきてもいいですか?」



「うん、もちろん!」



羽山くんは急いでポップコーンを買うと、すぐに戻ってきた。



「買ってきました!行きましょう!」



開場時間になり、私と羽山くんは隣同士の席に座る。