「お、おまたせ……!遅くなってごめんね!」



「いや、僕がはやく来すぎただけなんで!気にしないでください!」



ありがちなやり取りに2人でふきだす。



「なんか、よくドラマとかで見るやり取りみたいですね」



「そうだね、ふふ」



「じゃ、行きましょうか」



羽山くんは自然に私の手を取って、歩き出す。



「……っ!」



「今日だけ、許してください」



と、羽山くんはニコッと笑った。



「う、うんっ」



私は断れず、コクンと頷く。



それより、羽山くんの手……冷たい。
一体どれぐらい前から待ってたんだろう。
今日は特に肌寒いし、私ってば待たせすぎたかもしれない。


申し訳なくて私は軽く羽山くんの手を握り返す。



ごめんね、羽山くん。
ありがとう、羽山くん。