【完】“好き”って言葉だけじゃ足りねぇよ。







「で、OKしたの!?」



「うん」



「な、なんで……?」



「羽山くんがデートしたら私のことを諦めるって言ってたの。でね、今の中途半端な関係じゃ羽山くんを傷つけてしまうから……だから、行こうって決めたの」



「……そっか」



羅菜は「頑張ってきな」と、私の背中をポンと叩いた。



「うん、ちゃんと羽山くんに自分の気持ち伝えてくる」



羽山くんとはこれからも先輩後輩の関係がいい。
私が羽山くんをフッたからって気まずくなるのは絶対にヤダ。
せっかく出会えたんだから、これからもずっと仲よくしたい。



これはウソ偽りない本音だ。



キーンコーン―――



「じゃ、私は自分の席に戻るね」



「うん!」



羅菜は自分の席へと戻っていった。
私も自分の席に着く。