ちゃんと次こそは羽山くんに自分の気持ちをハッキリ言わなきゃ。
中途半端な返事をしたら、きっと羽山くんを傷つけてしまうから。
「……うん、わかった」
私は羽山くんの目を見て言った。
今まで曖昧にしてきた羽山くんとの関係に区切りをつけなきゃ。
私のためにも羽山くんのためにも。
「ありがとうございます……!」
「ううん、こちらこそ誘ってくれてありがとう」
「この数週間ずっと考えたんです。そろそろ陽莉先輩に迷惑をかけるのも最後にしなきゃって」
「迷惑だなんてそんな!真っ直ぐで純粋に私を好きでいてくれる人がいるってすごく幸せなことだもん!」
「あはは、陽莉先輩は本当に優しいですよね。そんな陽莉先輩が好きなんです」
羽山くんは優しく笑ったけど、少し苦しそうにも見えた。
「じゃ、また詳しいこと決めたらメールしますね」
「うん!待ってるね!」
失礼します、と丁寧にお辞儀をすると、自分の教室へと帰っていった。
羽山くんの背中が見えなくなるまで見つめたあと、教室の中に入ろうとくるっと方向を変える。



