「朔空くん、今までごめんね」
もう涙をこらえ切れそうになくて、そう言って笑顔を見せてから私は屋上を飛び出した。
ひたすら走って、私はひと気の少ない特棟の空き教室に入った。
「うぅ……っ、うぇ……」
あぁ、私ってほんとバカだ。
今頃自分の気持ちに気づくなんて。
私は……。
……朔空くんのことが好きなんだ。
朔空くんに突き放されて、初めて自分にとって朔空くんがどれほど大きな存在だったのか気付いた。
失ってから失ったものの大きさに気づくなんて、本当に私ってバカだ。
「朔空くん……っす、き……」
口に出してみたけど、この声が朔空くんに届くことはない。
後悔してももう遅いんだ。
もう私と朔空くんはただのクラスメイトなんだから。
