「やっぱり……まだ聞きたくないです」
そう言った羽山くんの顔はすごく苦しそうで……胸がギュッと締め付けられた。
「もう少しだけ……時間をください」
私は黙ってコクンと頷いた。
羽山くんの表情を見てたら断れなかったんだ。
キーンコーン―――
すると、授業の終わりをつげるチャイムが鳴った。
「じゃ、僕は教室に帰りますね」
羽山くんはニコッと笑って、図書室を出て行った。
1人になって、図書室は静かになる。
「教室……戻らなきゃ」
でも、朔空くんにどういう態度をとっていいのかわからない。
朔空くんは今、なにを考えているのかな……。
ふと、窓の外を見ると、隣の校舎の私のクラスが見えた。
そして窓側の席に座っている朔空くんが見えた。
そうだ、朔空くんは窓側の席だったっけ……。
朔空くんは頬杖をついて、なにかを考え込んでいるような表情でじっと前を見ていた。



