「は、羽山く……っ」
ふわっと羽山くんの優しい匂いが鼻をくすぐる。
な、なんで私羽山くんに抱きしめられて……っ!
「じゃあ……まだ俺にも可能性があるんだって思ってもいいですか……?」
耳元で鮮明に聞こえた、羽山くんの透き通った声。
あぁ、羽山くんってなんていい子なんだろう。
こんなおっちょこちょいでドジな私のことを一途に好きでいてくれている。
私が梶原くんが好きだって知っててもそれでも諦めないで、今日までずっと私のことを想っててくれて……。
私なんて、梶原くんと里依ちゃんが一緒にいるのを見て、勝手に彼女いたんだって思いこんで……で、梶原くんのことをすぐに諦めてしまった。
今さらだけど自分が情けなくて、涙が出そうになる。
こんなに一途で綺麗な心をもった男の子、滅多にいない。
もしかしたらこの世で羽山くんしかいないかもしれない。
でも……どうして、可愛い後輩くんとしか思えないんだろう。
「羽山くん……私、羽山くんのこと……っ」
羽山くんに申し訳なくて、泣きそうになりながら自分の気持ちを伝えようとすると、さらに強く抱きしめられた。
「それ以上は言わないでくださいっ!」
「っ」
そしてゆっくり私を解放すると、じっと目を見た。



