【完】“好き”って言葉だけじゃ足りねぇよ。







「ち、ちが……っ」



「なんでそんな顔真っ赤にしてんの?」



朔空くんは楽しそうに私にグッと顔を近づける。
今にも唇が触れそうだ。



「赤くなんて、ない」



ウソ。
絶対私、真っ赤だ。
朔空くんがこんなに顔を近づけるんだもん。
今すぐに逃げたい、けど。
朔空くんが真っ直ぐに私を見つめるから、目が離せないんだ。



「はぁ、お前ほんとムカつく」



「え……?」



「なんでそんなに可愛いんだよ、バカ」



恥ずかしそうに朔空くんは私から目を逸らして顔を手で覆った。



「へ……!?」



い、今なんて……っ?
か、可愛いって……言った?



私の顔はボッとさらに熱を増す。



「俺がなんで……お前に優しくしたり、助けたり、心配したり、嫉妬したりするのか教えてやるよ」



「……っ」



朔空くんは大きく息を吸って、ゆっくり口を開いた。