「今すぐ陽莉に謝らないと、この動画、先生に見せるよ?そしたらキミたち、謹慎いや、退学になったりして?」
「ご、ごめんなさい……!い、行くよ!」
女の子たちは逃げるようにその場を去っていった。
「……朔空く」
「陽莉、お前はほんとバカ」
朔空くんの名前を呼び終わる前に軽く頭を叩かれた。
「ご、ごめん……」
「なんで先に教室出ていったんだよ」
「さ、朔空くんが女の子たちと楽しそうに話してるから邪魔しちゃ悪いなって思って……!」
すると、朔空くんは私の顎を持ち上げてニヤッと笑った。
「なにそれ、ヤキモチ?」
「……っや、ヤキモチなんかじゃないよ!ただ、猫かぶって私以外の女子に優しい朔空くんにムカついただけだよ!」
「へぇ、俺が他の子に優しくするのがイヤなんだ?」
確かにモヤモヤしたけど、私が嫉妬する理由なんてないもん。
朔空くんのこと好きでもなんでもないし。



