【完】“好き”って言葉だけじゃ足りねぇよ。







「だーかーら!なんでアンタなんかが澤村くんと付き合ってんのって言ってんだよ!」



「アンタみたいな可愛くもない女、澤村くんが相手にするなんて絶対おかしい!」



「どんな手使ったのよ!?」



3人に迫られて私はどうしていいのかわからない。


あぁ……逃げたい。
女子ってほんと怖い。



「あの……私は……」



「ハッキリ答えなさいよ!!!」



―――パンッ!



「痛……っ」



私は3人の女の子の1人に平手打ちをされた。



叩かれた頬がじんじん痛んで熱くなってくる。



そのとき、私の中でなにかが切れた。



「……そんなの知らないよ」



私はポツリとつぶやく。



「は?」



「そんなの……私だってわかんないよ……!」



なんで朔空くんが私を彼女役に選んだのかなんてわかんないよ。
たまたま弱みを握ったからなのかもしれないけど……でも、朔空くんが言い寄れば私以外の女の子でも彼女役してくれたはずでしょ……?