キーンコーン―――
午前の授業を終え、私はいつものようにお弁当を持って朔空くんの席へ行こうとする。
が、朔空くんは女の子数人に囲まれて話していた。
「澤村くん!さっきの授業のノート見せて!」
「あぁ、いいよ」
朔空くんは私がいてもやっぱり人気だなぁ。
前よりは全然女の子の数は減ったけど、やっぱり朔空くんのこと好きな子は何人もいるんだ。
そんな人と恋人のフリしてるなんて、ヘンな感じ。
というか、私浮いてる気がする。
他の人からしたら朔空くんは王子様であって……私なんて地味でドジで全然釣り合ってないよね。
「はぁ……」
朔空くんが他の女の子に笑顔を向けているのを見ると、胸が締め付けられる。
なんだろう、この気持ち。
私は1人になりたくて、朔空くんのところへ行くのをやめて1人で外に出た。
「…………」
中庭の地べたに座ると、お弁当箱を開いて静かに食べ始めた。
あ……今日もうずらベーコン入ってる。
でも、なんかあんまりテンション上がらない。
もう!これも朔空くんのせいだ!
朔空くんが女の子と話してるのを見ちゃったからヘンな感情がわいてきて……っ!



