【完】“好き”って言葉だけじゃ足りねぇよ。







「うん、本人が言ってたもん。梶原くん、モタモタしてると里依ちゃん、取られちゃうよ?」



「はぁ~~……マジかよ……」



梶原くんは頭を抱えて机に伏せた。



「梶原くん、ファイトだよ!」



「うん……」



「はーい、授業始めるぞー」



すると、生物担当の先生が教室に入ってきた。



「きりーつ、礼、着席」



梶原くんには本当に頑張ってほしい。
それにしてもいいなぁ。
幼なじみの恋って……。
なんだか漫画の世界みたいで憧れる。



隣を見ると、梶原くんは石のように固まってじーっと前を見ていた。



梶原くん、なにを考えているのかな?
そのまま告白頑張ってほしい!



なんて思っていると、ふと、朔空くんと目が合った。



「……っ」



その瞬間、胸がドキッと高鳴る。



ん!?ど、ドキッ……?
なんでドキッとしてるの私!
好きでもないのに……。