「梶原くん、頑張ってね。私、応援してるから」
まさか、私が梶原くんの恋を応援するようになっちゃうなんて、少し前の私は想像もしていなかっただろう。
きっと、里依ちゃんのことも応援してなかった。
里依ちゃんに勝ちたいって頑張って梶原くんを振り向かせようとしてたんだろうな。
「さんきゅ。って言っても告白する勇気なんて全然ないけどな」
あはは、と笑いながら教科書類を机に準備する梶原くん。
そうだ、ここは2人が結ばれるように背中を押してあげなきゃ。
「……ねぇ梶原くん、知ってた?」
「え?」
「里依ちゃん、好きな人がいるんだって」
「……えっ!?」
梶原くんはあまりの驚きで、教室に響き渡るような大声で言った。
その瞬間、クラスメイトの視線が彼に集まる。
「あ……やらかした」
「梶原くん、驚きすぎだよ~」
「だ、だって!……で、それ、ほんとなのかよ」
梶原くんがこんなに焦ってるところ、初めて見た。
なんだかおもしろいな。



