「あんな風にちゃんと“好き”って言えるなんてうらやましいよ」
梶原くんはそう言って少し切なそうな顔をした。
もしかして、梶原くんって……。
「……好きな人、いるの?」
「えっ!?」
私の質問に顔を赤くするから、そうなんだと確信した。
「へぇ、梶原くんって好きな人いるんだ!」
全然気付かなかったなぁ……。
「しーっ!!!声でかいってば!」
「あっ、ご、ごめんごめん」
私は慌てて口を閉じる。
「で、その好きな人って……誰なの?同じ高校?」
私は興味しんしんに聞いてみる。
「あ~……うん」
梶原くんは恥ずかしそうに髪の毛をくしゃっと触りながら答える。



