「お疲れ様、東本」



席につくと、梶原くんが息を切らした私を見て言った。



「ほんとに疲れた~……」



「あ、そうだ。そういえば土曜日、羽山がすっげぇ喜んでたよ」



「え?」



「タオルとスポーツドリンクだよ。嬉しそうに『陽莉先輩にもらったんです!』ってみんなに見せてたよ」



「えぇ!?」



羽山くん、そんなに喜んでくれてたんだ……。


わかってたことだけど、本当に私のことを思ってくれているんだなぁと実感する。


でも、私は羽山くんのこと……。
いつか、自分の気持ちをちゃんと言わなくちゃ。



「アイツさ、ほんと真っ直ぐだよな」



「え?」



「これ、本人には秘密だけど、アイツ部室でもずっと東本のこと好きだって話してるんだ」



梶原くんが小声で周りを確認してから言った。



その話を聞いた瞬間、顔が少し熱くなる。



羽山くん、部室でも……!?