「そうだね……」



「でも本当陽莉はすごいよね。バスケ部1年で大人気の羽山くんに告白されるなんて」



「そんなことないよ!羽山くんが物好きなだけだって!」



「はいはい」



そう言った私を見て羅菜は呆れた様子でため息をついた。



キーンコーン―――



「あ!次の授業始まっちゃう!」



「陽莉、走るよ!」



「うぇええ!?」



羅菜は私の手を握って全速力で走った。



そしてなんとか鳴り終わる前に教室へついた。



「はぁー……はぁ……」



キツイ……疲れた。
でも、羅菜が引っ張ってくれなかったら、私の足の速さじゃ絶対間に合わなかった。



「セーフ、だね」



「うん、ありがとう羅菜……はぁ……っはぁ……っ」



息を切らしながら私は自分の席へとついた。