「あのねぇ、陽莉のその話聞いてわからない人なんてきっと陽莉だけよ?」



「えぇ!?そ、そんなぁ……」



なんで私のことなのに私はわかんなくて、羅菜とか他の人にはわかっちゃうの!?
そんなに鈍感なのかな……私。



「ま、それは自分で気付かないと意味がないから言わないけど」



「えぇ!教えてよ!」



自分の気持ちがわかんなくて困ってるのに!!!



「頑張って、陽莉」



「え~~!羅菜、お願い~~!!!」



私は羅菜の制服の裾を掴んでお願いするけど、羅菜は全く教えてくれようとはしない。



「ダメダメ、自分で少しは考えてみたら?」



「だってわかんないんだもん……」



「あ!陽莉先輩!」



すると、聞き覚えのある透き通った声が聞こえた。
顔をあげると、そこには予想通り、羽山くんがいた。



「羽山くん……」



土曜日のことを思い出して気まずくなって、目を逸らす。