「澤村くんになにか弱みでも握られてるのか知らないけど、絶対あの人危ない!陽莉、もっと警戒心持たなきゃ」
「うん……」
危ないってわかってるのに、梶原くんを吹っ切れてからもまだ一緒にいたいって思ったり、さっきみたいにキスしてもいいかなって思っちゃう自分がよくわからない。
「あのね、羅菜……私、おかしいのかな?」
「え?」
「実は………」
私は羅菜に朔空くんとの契約のこと、契約解除してもいいってなったときに自分からまだ朔空くんと一緒にいたいって思ったこと、昨日羽山くんとあったこと、そして……さっきキスを受け入れようとしてたこと。
全部話した。
「……ってことなんだけど」
「へぇ、なるほど。そういうことか」
羅菜はなにか勘付いたようにニヤニヤし始める。
「え!?なにかわかったの?」
「そんなの聞いたら一発でわかるわよ。陽莉が鈍感なだけじゃない?」
「え……?」
私が鈍感?
……いやいや、羅菜が勘よすぎるだけじゃ?