キーンコーン―――
「授業終わりのチャイムだ!陽莉も着替え終わったことだし、そろそろ教室戻ろっか」
「うん!」
羅菜の持ってきてくれた自分の制服に着替えた私と羅菜は保健室を出た。
「それにしても陽莉、ほんとに大丈夫なの?」
教室に戻りながら羅菜が心配そうに言った。
「え?」
「澤村くんよ!さ・わ・む・ら!」
あぁ……そういやさっき朔空くんにキスされそうになったところを、羅菜に見られちゃったんだ。
私がなにかしたってワケじゃないけど、恥ずかしい。
親友にあんなところを見られるなんて。
しかも心のどこかで受け入れようとしている自分がいた。
朔空くんとならいいか、って思ってる自分が……。
なんでなんで?
あんなに朔空くんのこと大キライだったはずなのに!
「陽莉?おーい!聞いてる?」
「……っは!ごめん、ボーっとしてた!」
私ってば考え過ぎてつい、ボーっとして……もう!これも朔空くんのせいだ!
私がハードルでコケたのも、シュートを決めた朔空くんを少しカッコいいなぁとか思ってたら目合っちゃって心臓がバクバクして集中できなかったんだよ!