【完】“好き”って言葉だけじゃ足りねぇよ。







「みんな、おはよう」



王子様スマイルを振りまいて挨拶をしながら、彼は教室を歩く。



ほんと、異世界の人みたい。
女の子もこの笑顔に魅了されるんだろうなぁ。
私は例外だけど。



……って、澤村くん私の方に歩いてきてない?



澤村くんの席ってこのへんだっけ?
いや、違うはず。
じゃあやっぱり……私の方に来てる!?



いやいや、でも来る必要も意味もないよね?



しかし彼は私の前でピタリと止まった。



「おはよう、東本さん」



「あ、あぁ、おはようございます……」



「昨日は本当に大丈夫だった?ごめんね、俺のせいで……」



なんだ、昨日のこと謝りにきたのか。
ここで無駄に会話すると、彼のファンに殺されそうだからさっさと会話を終わらせないと……!



「ほんとに大丈夫です!私がドジなだけなので……!」



「そっか。じゃ、今日も一日授業頑張ろうね」



澤村くんはニコッと優しく微笑んで、自分の席に着いた。