なにも言えなくなって固まる私。
そんな私の手を握る力を強めた。
「本気で好きなんです……っ!陽莉先輩が僕のこと、ただの後輩だとしか思ってないのはわかってます!でも……僕のことも、男として見てほしいんです」
「羽山くん……私は……」
私は朔空くんと付き合ってる設定だし、それに羽山くんを可愛い弟みたいにしか思ってなかったから……どうすればいいかわかんない。
「わかってます!でも、澤村先輩には負けません!」
「……っ」
そのときだった。
「なに人の女口説いてんだよ」
聞き覚えのある声が聞こえて私は反射的に振り返る。
「朔空くん……!」
「はぁ、ほんとお前はのんきだな。彼氏がいるのに他の男の部活見にいくなんて」
朔空くんは腕を組んでにやっと笑う。
「澤村先輩、それは本心ですか?」
「本心に決まってるだろーが」
羽山くんと朔空くんの間に火花が飛び散る。



