すると突然、羽山くんが私の両手をつかんで、じっと目を見つめた。
「は、羽山く……」
「僕、好きなんです!」
「へ……?」
羽山くんが少し頬を染めて言った。
好き、ってなんのことだろう……?
「だから……僕は陽莉先輩のことが好きってことです!」
頭の上にハテナマークを浮かべる私の目をしっかりとらえて言った。
ウソ……羽山くんが私のこと……?
「入学してバスケ部に入って、そのときに体育館2階からいつもバスケ部の練習を見ている陽莉先輩を見つけて……一目ぼれでした」
羽山くんの言葉に私の頭は混乱し始める。
羽山くん、そんなに前から私のこと、好きでいてくれてたの……?
「でも、最近になって陽莉先輩が来なくなって……そのときに偶然、陽莉先輩の生徒手帳が体育館の2階に落ちていることに気が付いて……チャンスだと思ったんです」
真っ直ぐな羽山くんの目を見ていると、冗談を言ってるようには見えない。
純粋な綺麗な目に私をしっかり映している。



