「うーん、今はいな……じゃなくて、朔空くん!!!彼氏だもん!!!」
あ、危ない。
彼氏いるのに好きな人いないって、おかしいよね。
危うく本音を言うとこだった……。
「そうですか……彼氏、ですもんね」
「ま、まぁね!羽山くんはいるの?好きな人」
羽山くんはモテるし、よりどりみどりなんだろうな……とか思いながらそう言う。
「僕、ですか?」
「羽山くんだったらきっとモテるんだろうなぁ……今日も羽山くんのこと応援してる子、何人もいたし」
羽山くんのプレーを見て、頬を赤く染めている女の子たちを思い出す。
「僕は……好きな人、います」
「え!そうなんだ!どんな子?」
羽山くんの好きになる子って、きっと可愛くて優しくていい子なんだろうな……。
「可愛くて、優しくて、なにより笑顔がステキなんです」
嬉しそうに話す羽山くんの表情は明るくて、輝いていた。
相当その人のことを好きなんだなぁと伝わってくる。
「へぇ……ステキな人だね!」
私がそう言うと、羽山くんは足を止めた。
「ん……?どうしたの?羽山くん」
私も足を止めて羽山くんの顔を覗き込む。



