【完】“好き”って言葉だけじゃ足りねぇよ。






「あ!このことは新には秘密ね!」



「うん、もちろん。里依ちゃん、頑張ってね!私、応援してるから……」



「ありがとうっ!」



少し前の私が梶原くんに実は彼女がいなかったって知ったら、どうしてただろう。
やっぱり、ずっと梶原くんのことを想いつづけてたのかな?



でももうそんな風に思わないってことは、私は梶原くんに恋愛感情はないってことだよね?



「そういえば、陽莉ちゃんって澤村くんと付き合ってるんじゃなかったっけ?」



「あぁ……一応そういうことになってるんだけど、色々あって……」



「え?色々?」



「陽莉せんぱーい!!!」



「あ、羽山くん」



すると、羽山くんが息を切らせて私のところまで駆け寄ってきた。



「おまたせしました!……って、里依先輩じゃないですか!今日はお疲れ様です!」



里依ちゃんに頭をペコッと下げる。



「羽山くんもお疲れ様!……色々、頑張ってね」



「はい!里依先輩も頑張ってください!」



「では、失礼します」と、里依ちゃんに頭を下げると、羽山くんは歩き出した。
私も里依ちゃんに手を振って、羽山くんについて行く。