「う、嬉しすぎます……!まさか、陽莉先輩がこんな素敵な差し入れとプレゼントをしてくださるなんて思ってもいなくて……!本当にありがとうございます!」
そう言ってそのタオルを首にかけて汗を拭き、スポーツドリンクを一口飲んだ。
「美味しいです!2試合目も絶対に勝つので、見ててくださいね!」
「もちろん!頑張ってね」
「はい!じゃあ、いってきます!!!」
羽山くんは可愛い笑顔を見せて、チームメイトのもとへと走っていった。
相変わらず、可愛いなぁ……。
本当に弟にしたいぐらいだよ。
頬を緩めながらまた2階へと上がって、体育館を見下ろす。
すると、羽山くんがこっちに向かって大きく両手を振った。
私も慌てて振り返す。
なんか、彼氏彼女みたい。
なんて、羽山くんは弟みたいなものだけどね。
「ねぇねぇ、さっき羽山くんに手を振ったのって、澤村先輩の彼女さんじゃない?」
「えーウソ?あんな子だったっけ?」
すると、近くにいた女の子の会話が耳に入った。
ま、マズい……!
そうだ、私はあくまでもみんなの前では朔空くんの彼女……。
浮気だとか変なウワサたてられたら、朔空くんに今日のことバレちゃうよ……!
私は人があんまりいない、端っこの方へと移動した。