羽山くん、きっとモテるだろうな……と、ふとそんなことを考える。



だって、隣で見てる女の子たちも羽山くんに釘付けだもん。



そして次は梶原くんが相手のボールをカットしてシュートを決める。



久しぶりに見た梶原くんのバスケをする姿。
やっぱり今でもカッコいいなって思う。
毎日、彼に気づかれないように練習を見に行くのが日課だったもんな……。



梶原くんも羽山くんもすごく真剣な表情で、でもどこか楽しそうで、本当にバスケが好きなんだって伝わってくる。



なにかに夢中になれる人って素敵だな。



そして1試合目は無事、うちの高校が勝利をおさめた。



休憩に入り、私は1階へおりて羽山くんに駆け寄る。



「羽山くん!」



「陽莉先輩!約束通り、見にきてくださったんですね」



「当たり前じゃん!はい、これ差し入れとプレゼント」



私は持ってきていたスポーツドリンクとタオルを渡した。



「タオル……どんなのがいいかわかんないけど、羽山くんに似合いそうなの選んだんだ!よかったら使ってね」



羽山くんは私から受け取って、表情を明るくした。