そしてついにやってきた土曜日。


私は昨日買っておいたスポーツドリンクと羽山くんに似合そうだなと思って買ったタオルを持って家を出た。


はぁ……朔空くんのいない時間って、なんて自由なんだろう。


私は鼻歌まじりに学校へと向かった。


学校に入り、体育館へ行くともうすでに試合は始まろうとしていた。
慌てて2階へあがって羽山くんを探す。



「あ、いた!」



羽山くんは早速、相手チームからボールを奪ってドリブルでゴールに向かう。



動きの素早さに私は感動した。
他にいた女子たちも黄色い声をあげる。


こんな真剣でキリッとした表情の羽山くんを見るのは初めてだ。
普段はニコニコしている羽山くんがこんなにキリッとしていると、なんだか不思議な気持ち。


羽山くんも、こんな表情するんだ……。



「羽山くーん!頑張ってーっ!」



私は精一杯大きい声で羽山くんに叫んだ。



そして羽山くんはシュートを決めた。



羽山くん、すごすぎる……!と、驚いていると羽山くんが一瞬こっちを見て、微笑んだような気がした。