だから羽山に嫉妬したり、陽莉を心配したりしたんだ。



……まさか、俺がこんなドジで単純バカな女に惚れるなんて自分でもビックリ。




「……朔空くん?どうかした?」



「みんなの王子様じゃねぇよ」



「へ……?」



俺は……。



「お前だけの、王子様だよ」



俺は、陽莉だけの王子様になりたいんだ。



「……っ!?なっ、なに言ってるの!?」



「なーんてな、ウソだよバーカ」



顔を赤くした陽莉は、俺のことをどう思ってるのだろうか。
ただ、男子に免疫がなくて赤くなってるだけなのか……?



その不安な気持ちを隠すように俺は陽莉にデコピンした。



「い、いったーい!」



「あはは、面白れぇ顔」



「ひどい!!!朔空くんのバカ!!!」



絶対振り向かせてみせるからな、陽莉。