「てかお前さ、羽山……だっけ?アイツと仲良すぎるだろ」



下駄箱に向かいながら俺はそう言った。



「えー?そう?ただ、可愛い後輩くんだなぁって思ってるだけだよ」



「つーか、お前警戒心なさすぎ。羽山だって男なんだからな」



羽山に対して全く警戒心のない陽莉に少しヒヤヒヤする。
アイツがなにもしてこない、なんて保障はどこにもないんだからな。



「大丈夫だって!羽山くんはそんな子じゃないよ。純粋そうだし」



純粋そう、か。
いくら純粋そうでもそう見せてるだけかもしれないのに、なんで陽莉は警戒しないんだか……。



「なんでそんな羽山くんのこと警戒するの?」



「……別に」



「もしかして、心配してくれてるの?」



陽莉は俺の顔を覗き込む。



くそ………陽莉のクセに次々と図星をついてくるじゃねぇか。
心配っつーか、陽莉が襲われたりしたらどうしようっていうか……。
ああーっ!結局心配してんじゃねぇか。



なんでだよ……ムカつく。