羽山くんが去っていった後、教室に入ろうと後ろを振り返ったら朔空くんがいた。
「うわ!び、ビックリした~……どうしたの?」
「さっきの誰」
「さっきって……あぁ、バスケ部の1年生だよ」
私がサラッと答えると、朔空くんは少しムッとした表情になった。
「なに、梶原の次は1年かよ」
「違うよ!羽山くんはそんなんじゃない!ただ、私の落し物拾ってくれて……それをキッカケに少し話すようになっただけ。って言っても今日初めて話したんだけど」
「ふぅん、あっそ」
なにこの態度!!!
自分で聞いておいてその態度はないでしょ!
「なんで怒ってるの?別に朔空くんが怒る要素なんてないじゃん」
「……怒ってねぇよ」
ウソつけー!
不機嫌オーラが満ち溢れてるよ!
はぁ、朔空くんって素直じゃないなぁ。
羽山くんみたいに素直でいい子だったら接しやすいのに。



