「なんでもいいよ!東本でも陽莉でもニックネームでも……」



「じゃあ……陽莉先輩、って呼んでもいいですか?」



「うん!もちろん!」



頷くと彼は嬉しそうに笑みをこぼした。



「あの、陽莉先輩」



「ん?」



「もしよければまた、時間があるときに部活見に来てください!」



「そうだね、羽山くんの練習してる姿見てみたいし」



「嬉しいです!楽しみに待ってます!」



あ、でも私には朔空くんがいるんだ……。
放課後にバスケ部見に行きたいなんてもう言えないし……。
朔空くんが一緒に帰れない日があったら、こっそりお邪魔しよ。



「あ、じゃあ僕、そろそろ教室戻りますね」



「またね、羽山くん」



「はい!また来ます!」



私に笑顔で手を振って、羽山くんは廊下を走っていった。