side統牙

あいつはまたもや唐突に


『そんなに世界はつまらない？』


とかきいてきた。ほんと変な奴。

つまらないほうがいい。
誰とも深く関わらなければ傷つくことだってない。

俺はその考えを変えるつもりはない。

けどー


『笑ってよーよ！』


そういって笑ったあいつの笑顔が
なにも楽しくないはずのこの場所でどうしてそんなに笑えるんだってくらい

無邪気で、ありえないくらい綺麗にみえて、


俺はなぜか泣きそうになってしまった。



あいつが戻った後も、俺はずっとその場から動けずにいた。

この余韻に浸っていたかった。