以心伝心だ、なんて自惚れてみる。
「凜那、人多いから…ほれ。」
右手を差し出されて、とりあえず左手を重ねてみる。
と、しっかりと恋人繋ぎ、された。
「離すなよ、はぐれるの嫌やからな。」
なんか、嬉しいなって思ってしまったけど、思うと昴先パイって好きな人、いるんだよね。
やっぱり美人さんなんだろうなぁ。
「凜那、見てみ、コレ超かわええで。」
昴先パイの左手に握られているのはヒゲのマークがついたヘッドフォン。
カラーバリエーションが安いわりに意外と豊富で、赤・ピンク・オレンジ・黄色・緑・青・紫の7色。
ヒゲのマークは焦げ茶色。
「俺赤。
凜那は?」
「私だったらピンク、ですかね。」
「よし、買ったる。」