ただ、教室に残っている理由はそれだけじゃない。
それは、窓から見える冬野を見るため。

毎日、冬野の席に座って、その席からサッカーをしている冬野の姿を見るのが日課になっていた。

今日の校庭は、桜の花びらで埋まっていて、とてもきれいだった。

前から、少し気になっていた机の中を、つい好奇心で覗くと、一枚の手紙が入っていた。

冬野は、すごくかっこよくて、頭が良くてサッカー部で…友達も沢山いて……。

先輩後輩、関係なくモテていた。
もちろん同い年にも。

だから、女の子からのラブレターか、なんかだろうと思ったけれど、少し気になって悪いと思いながらも手紙を開いた。